
こんにちは。ペットロスカウンセラーの星川美紀です。 最終章はペットを家族に迎えたら“いつか必ずやってくるお別れのとき”その悲しみと苦しみを和らげる方法を、私の体験を交えてご紹介します。 動物の寿命は人間より短くて、通常は愛するペットを私達がお見送りをすることになります。また死だけが別れではなく、私達の不注意によってペットが逃げ出したり、大震災や火山噴火などの自然災害によって離れ離れになってしまうこともあります。 どんな別れ方にしても悲しみは計り知れないもので、なかにはペットを失ったことにより長いあいだ悲しみから抜け出せない人もいます。そんな状態をペットロスといいます。
ペットとの別れや死によって生じる喪失感から、深い悲しみ(悲嘆)や苦しみから立ち直れない状態のことをいいます。ペットロスは病気ではなく普通の感情ですが、悲しみが深すぎて日常生活に支障が出るほど重篤化することもあります。たとえば眠れない、食欲がない、何も考えられない、気分が落ち込む、ただ悲しくて涙が出るなどです。
ペットロス体験談

5年ほど前に2匹のモルモットを飼いました。時間があれば2匹を抱き、寝るときもケージを寝室に運び、今思えば過剰に愛着しました。 最初に不正咬合になった子を1年ほど介護しましたが天使になりました。病院で亡くなったので最後は立ち会うこともできず後悔だらけ。まさに悲嘆のプロセスを行ったり来たりしてペットロスに陥りました。不眠、食欲不振、脱力感、胃腸障害など体調不良に悩まされました。残されたもう1匹のために「早く立ち直らなくては」と思えたのも、かなり時間が経ってからのことです。
ペットロスを和らげる8つの方法
1.自分の納得のいく見送り方をする。
2.泣きたいだけ泣く。
3.同じ境遇の人のブログを読んだり、話しを聞いてくれる人とお話しをする。
4.本を読む。
5.ペットロスのプロセスを深く知る。
6.動物と関わる。
7.新しい家族を迎える。
8.悲しみを感謝の気持ちに変える。
①自分の納得のいく見送り方をする
こうしなくてではなく、自分がやりたいように納得のいく方法で見送くる。私は今も骨壺を側に置いて毎朝お水を取り替え、お線香を灯しています。
②泣きたいだけ泣く
悲しみを我慢せず泣く。百箇日(卒哭忌)までは泣いてもよいとされています。卒は終わる、哭は泣き叫ぶという意味です。百箇日までに涙を枯らしましょう。
③同じ境遇の人のブログを読んだり、話を聞いてくれる人とお話をする
ペットを亡くして悲しいのは自分だけではないと気づき、共感できる相手がいると心が落ち着きます。
④本を読む
たくさんの本の中で、ペットロスを克服するきっかけになった本をご紹介します。

*虹の橋 Rainbow Bridge by YOH Shomei
ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが有名な「虹の橋」です。 「虹の橋」には第2部、第3部と続きがあることをご存知ですか? 第1部はペットが天使になると虹の橋のふもとで飼い主さんを待っていてくれて、そこで再び会い一緒に虹の橋を渡っていきます。第2部は動物が好きなのに事情があって飼うことのできなかった人と、人間の愛を知らずに(虐待されたり、野良犬、野良猫など)天使になった動物が、虹の橋のふもとで出会い一緒に虹の橋を渡っていきます。 第3部は虹の橋ではなく、“雨降り区域”と言う場所があります。そこにはいつも冷たい雨が降っていて、ずぶ濡れになりながら飼い主さんを待っているペット達がいます。冷たい雨は、いつまでも悲しんで泣いてばかりいる飼い主さんの涙で、泣いてばかりいると愛しいペット達は虹の橋へ辿りつけないでいるのです。 そんなペットの悲しい姿を思うと、とてもせつなく胸が痛みます。 私はこの“雨降り区域”のお話を知って泣くのをやめました。架空の世界かもしれませんが、信じることによって救われることもあります。 いつかまたきっと会えるという思いが私を救ってくれました。
*かぜのでんわ
「風の電話」は実際にあるお話です。岩手県大槌町の海が見える高台に電話線が繋がっていない電話ボックスが設置されています。そこには東日本大震災で会えなくなった人へ、想いを伝えるために電話をかけに来る人がいます。失ったなかにはペット達もいたことでしょう。 風の電話の線は大切な人の心へ繋がっているのかもしれません。
⑤ペットロスのプロセスを深く知る

悲しみから一歩飛び出し、この悲しみはどこから来てどうして湧いてくるのか調べてみるのもいいでしょう。プロセスを知ることにより悲しみが軽減されていきます。深い悲しみの仕組みはどのようになっているのでしょうか。「デーケンの悲嘆のプロセス」をまとめてみました。以下の12段階です。 この12段階のステップは必ずしも順番通りではなく、人によっては飛ばしたり重複したり、一歩一歩を繰り返しながら進んでいくといわれています。
デーケンの悲嘆のプロセス
⑥動物と関わる
勇気を出して保護犬猫などのボランティア活動に参加してみませんか。たくさんの犬猫を幸せに導いてあげられます。
⑦新しい家族を迎える
亡くなったペットへの罪悪感から、新しい家族を迎えることを躊躇してしまう方もいると思いますが、動物が好きな人はまた一緒に過ごしたくなるのが自然な感情です。飼いたいと思ったときにお迎えしましょう。新しいペットをお迎えすることで心落ち着くなら、きっと亡くなったペットも安心してくれます。
⑧悲しみを感謝の気持ちに変える
一緒にいて楽しかったこと、最後まで一生懸命に生きる姿を見せてくれたこと、出会えたことに「ありがとう!」と感謝しましょう。
まとめ


ペットを亡くして悲しむのは当然のことです。誰が何と言おうと大人だって泣きたいときには泣いてもいいのです。 でも日本では動物の権利など動物に対しての理解が乏しいのが現状です。 「犬が死んだくらいで、いつまで悲しんでいるの」と思う方が多くいます。 ですからペットを亡くした人は、悲しみを耐えたまま日常を過ごさなければなりません。 悲しみに耐えるのではなく自分の一番楽な方法を見つけ、悲しみをやり過ごしましょう。 また、悲嘆には個人差がありますが、日常生活に支障が出るなら我慢せず、専門のカウンセラーに相談するのも克服の手段だと思います。 天使になったペット達は、今まで飼い主さんが選択してきたことを理解してくれていることでしょう。そして飼い主さんが笑顔で幸せな日々を送ることが、天使になったペット達への恩返しではないでしょうか。 いつかきっと…また会えると信じて、会える日まで。
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